ビルの谷間見上げた空
月は雲に覆われて
くすむ眼が捉えたのは
街を見下ろす摩天楼
月影に問いかける
その声は届かない
自由になりたくて
あの高い空に爪を立てる
自分を変えたくて
壊したかったのは月と螺旋
靴も履かず、駆けたのは
熱を奪うアスファルト
傷の痛み堪えたまま
満ちる時を待っているのだろう
月影に問いかける
遠吠えがこだまする
満ちた月に照らされて
違う君が目を覚ます
自由になりたくて
あの高い空に爪を立てる
自分を変えたくて
壊して手に入れた月の破片
気付けば朝日登って
夜は息潜める
目覚めたその瞳はもう
くすむことなどない
気付かぬ大人達は
「大概、下らぬ妄想」と
嘲笑っているだろう
ビルの谷間見上げた空
欠けた月に照らされる
